スレッド一覧

  1. 下目黒の恐怖の精神虐待魔について語るスレ(6)
スレッド一覧(全1)  他のスレッドを探す 

*掲示板をお持ちでない方へ、まずは掲示板を作成しましょう。無料掲示板作成

新着順:134/881 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

真壁 仁編『詩の中にめざめる日本』(岩波新書)1966年発行に収録されている長島愛生園にいた詩人である森春樹さんの詩二編

 投稿者:  滝尾 英二メール  投稿日:2008年 7月28日(月)22時09分56秒
  通報
 

 真壁 仁編『詩の中にめざめる日本』(岩波新書・青版)1966年10月発行に収録されている長島愛生園にいた<ハンセン病詩人>である森春樹さんの詩・二編


                   人権図書館・広島青丘文庫  主宰 滝尾英二

 「増える高齢者の自殺」の続編を書こうと、若いころ買い求めた本をあれこれ、探して読んでいましたら、真壁 仁編『詩の中にめざめる日本』(岩波新書)1966年10月発行の詩の数々がたいへん、こころにしみてきて、ホームページの原稿をほったらかしにして、読みふけました。

 石垣りん、茨木のり子、大関松太郎、樺美智子、峠三吉、八島藤子(本名・栗原貞子)浜口国雄、大江満雄らの詩とともに、長島愛生園にいた<ハンセン病詩人>である森春樹さんの詩・二編(音・指)が収録されていました。この二編とも私には記憶がなく、今日、改めて拝読しました。1918年生れと書かれているところから、ご存命されていたら90歳というお歳です。さっそく長島愛生園におられる多くの著書のある安部はじめさんに電話して、森春樹さんのことをお尋ねしました。

 安部さんは、こうおっしゃりました。“もう10年余り前に亡くなられました。森春樹さんの小説は晧星社から出ています。ご指摘の「音」「指」が、ハンセン病文学全集の「詩編」に収録されているか、どうかは分かりません”ということでした。

 こころ打たれるこの森春樹さんの詩二編をつぎに紹介します。森春樹さんが亡くなられたのは、ちょうど私の年齢とほぼ同じだ、と思いました。


森 春樹=「音」

病が深まり 指は蝕まれ
掌に 鎌を握らせるのに
幾度も 繰り返し 繰り返し
繃帯で やっと結えつけるのである。

庭で咲きおえ枯死した
ダリアの花を
見ている と
むしょうに 耐えられなくなってきたから
主幹をぶった切った。

するとその主幹から
夢想もしなかった音が とびだした。

神を信じない私だが
その音が とび出したので
いつ死んでもよい と思っていたが
死ぬことが ふと厭になった。


「指」

いつの日から か
指は
秋の木の葉のように
むぞうさに
おちていく。

せめて
指よ
芽ばえよ。
一本、二本多くてもよい。
少くてもよい。
乳房をまさぐった
彼の日の触感よ。

かえれ
この手に。


 『詩の中にめざめる日本』の編者の真壁 仁さんは、この「音」「指」を評して『生のなかの生』を書いて、つぎのようにいっておられます。

「森春樹は‥‥一九一八年生れ。詩を書いてから二十年ちかい。不治といわれたハンセン氏病も、プロミンという薬ができてから快癒の希望がでてきて、患者の思想も宗教的なものから科学への信頼に変り、社会復帰の願望もつよくなってきている。人類がハンセン氏病をなくしていくことは、まさに科学と文明に負わされた課題である。‥‥詩集『いのちの芽』(三一書房刊)を編んで出版した大江満雄は、詩を書いているこの人たちに『生のなかの生』、悲惨のなかでもっとも人間らしい希望を見るといっている。」(30ページ)。

 
》記事一覧表示

新着順:134/881 《前のページ | 次のページ》
/881