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  『らい』誌:第4号(1965年7月発行) に掲載された小泉まさし、しまだ ひとし 各氏の詩を掲載! (下)  

 投稿者:  滝尾 英二メール  投稿日:2008年10月 8日(水)14時48分41秒
  通報 編集済
  -
<『らい』誌:第4号(1965年7月発行)に掲載された谺 雄二、さかいとしろう、小泉まさし、しまだ ひとし 各氏の詩を掲載してみる。>(下)

                      人権図書館・広島青丘文庫  滝尾英二

                        ‘08年10月8日(水曜日)14:55

      ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(3)小泉まさとさんの「志保子抄」(10~12ページ)

  (5)喜 劇

 ピュツーと風が吹いて 登山帽が飛ぶ 突然志保子の並びで 十五夜月のような坊頭が現われる キャラキャラ ケャアケャア 周囲がざわめきて しばらく 静まりはつかなかつた

 無菌になつても 完全治癒しても らいの禿頭は 縞西瓜であつたり 世界地図であつたり 海坊頭であつたりしている

 ――不毛なものはなになのか
   知っているかい 志保子――

十代から二十代を禿頭で道化し通しても
医者は
身体障害度の認定対象にはしない

笑われたとき
腹をかかえて一緒に笑うことが
せめてもの おのれの生存を認めること

飲み込み のみこむ 怒りを呑み込め!

くさいものにはふたをする
らいの歴史で
こころが逆十字に宙吊りされている

処刑されるものがそれで終るのはよいが

<?>

――志保子
  原爆記念館でみたものはなに ――

放射能で
とろけた鬼瓦の貌は
怒つているのか 泣いているのか

志保子よ
ぼくが嘲笑われなくなる
禿頭が不自然でなくななるまでには
まだまだ大分間がある

ノーモア・ヒロシマと
らいの畸型が演じる芝居と

――志保子
   凍てついたものを解かせ
   そして 喜劇の幕を降ろそう――

移りゆく景色の 窓の風が
冷や汗にここちよい
車輪ん通路を駆けて 志保子が帽子を追い
固い頬笑みで 深々と被らせる
志保子とぼくのパントマイム――。

      (6)

あなたがゆかいにわらえるのに
わたしのわらいはひきつっていました

どこの街ででも
ショウ・ウィンドーが
らい院になつていたのです

そのおびえの正体に勝てない
わたしは
あなたについてゆけない
でも ついてゆきたいのです
わたしの心はらいを病んでいます

      (7)

十二畳半のだだっぴろさの隅で、二十日以上も敷き流している
病床のぼくだつた
梅雨の苦しさに重ねて 急性結節の発熱が書棚も 机も畳も 汗とほこりで ぬらぬらとさせてしまい そのうえ らい菌の繁殖が眸孔までも犯して ぼくの視界は息苦しく 蒸し風呂の中に居るようだつた

夕暮れ近い空で層積雲が動かない
ぼくに
所内スピーカーが市外電話だと伝えたようにおもえたのだが‥‥‥ ぼくへの電話は志保子に限られているのだが‥‥‥額の吹き出る汗は寝床を頽廃にするばかりだつた

――らいの逃避は自殺しかない

障子の桟を確しかめようとして 幾度となく数えなおしてみる ぼくを 橙色や黄色の蝶がはばたいて もてあそぶのだ

『はやくよくならないと わたしの美しさかげんをみてもらえないので悲しいです』
『いまあなたの視力がよくなるように 千羽鶴を折つています 千羽になつたらきつとよくなります』

志保子の十七才の希いが
ぼくに呻めきを呑み込ませていた。

      (8)眼球結節焼切手術に (省略=滝尾)

      (9)電 話

受話器を握ると
わたしです 来ました!
まだ海のむこうに居るのに
身近な呼吸をしている
桟橋までむかえに行くよ!
下熱したばかりのぼくの声に
うれしつ!
志保子は
初夏の風に吹かれる青緑の樹々だ

喜びが中耳を転げ廻わっていた。


      ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(4)しまだ ひとしさんの「病人ちがい」(4ページ)

出たがらないつて?
治りたがないつて?
社会復帰を便秘したらい療養所で
思案顔な第三の医学。

患者たちの、あまりに
長く生きのびすぎた直腸には
所内結婚や、義足や
老令化や医師不足やがどつさり!
これでは日本のお尻ではないか。

便秘日本!
黄金の六十年代に、らい療養所なんか
一日でも早く排泄したかろうが
ものごとには順序と時間がある。
くるしまじれに
やくざな処方をうのみにしようものなら
こんどは
十一ケ所のお尻から下痢だ。

おれたちが便秘しているのは
「社会復帰」ではなくて日本。
指をもがれた者は指のない
てのひらを出して
昔の指で
かぞえてみな!
「絶対隔離」という偏食で
手も足も食いつぶさせてきた年月
いまさらそれは
官僚日本にとつても
たやすく解消したいというには
虫のよすぎる年月だが
おれたちの排泄はもつと楽じゃない。

      ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
 
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